東京高等裁判所 昭和49年(ラ)364号・昭49年(ラ)363号 決定
本件抗告の趣旨は「原決定を取り消し、さらに相当の裁判を求める。」というのであり、抗告の理由の要旨は、「抗告人は本件物件の所有権を有するもので、未登記のままになっていた。しかるところ、第三六三号事件抗告人小川秀雄の債権者による仮差押手続において、職権で、本件物件について右小川秀雄所有名義に保存登記が経由された。そして、右小川秀雄を債務者とする本件強制競売手続において、本件物件について本件競落許可決定が言い渡されたから、右決定は、違法である。」というのである。しかし、登記簿に登記されていない以上、真実の所有権者であっても、民事訴訟法第六四八条所定のいずれの利害関係人にも該当しないから、同法第六八〇条第一項による即時抗告の申立をすることは許されない。されば、抗告人は、本件競落許可決定に対する即時抗告申立の適格を欠くものといわざるを得ない。
(豊水 小林定 野田)